総会長挨拶

総会長: 西 慎一

総会長 西 慎一
神戸大学大学院医学研究科腎臓内科学 教授

2022年6月10日から12日の予定で、第65回日本腎臓学会学術総会を神戸コンベンションセンターで開催させていただきます。主催を担当させていただきます神戸大学大学院腎臓内科一同としては、開催担当の機会を与えて頂きましたこと、腎臓学会関係者の方々に深謝いたします。兵庫県内で日本腎臓学会学術総会を開催しますのは約半世紀ぶりのこととなります。

2021年11月に入りワクチン接種も普及し新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第5波も落ち着ついたところです。しかし、2022年度のCOVID-19感染状況はいまだ予想できず、残念ながら完全対面形式ではなく、ハイブリッド形式で開催を予定しております。

今回の学術総会テーマは、「君子不器」とさせていただきました。論語の言葉ですが、「優れた人物は一つの分野の才能に秀でているのみでなく、どんな分野にも通用する才能をもつ」と意訳されます。簡単に言えば、専門性にとらわれず勉強しろということでしょうか。

昨今の腎臓病学の裾野は広がり、また、他分野の学問領域との関連性も深まっています。分子生物学や遺伝子工学などのライフサイエンスの進歩は目覚ましく、基礎研究のレベルは高まる一方です。コンピューター、AIの進化によりデータサイエンスなどの新しい分野も急速に発達していると思います。腎臓病学においてもこのような新研究分野が応用されつつあります。

社会的には国際的連携が強まるとともに、ダイバーシティー、SDGsなどの概念が注目を集めています。学会としても、社会貢献を見据えた活動が要求される時代かと思います。

今大会の企画に関しては、上記のような実情を踏まえ、内田啓子先生が委員長を務める日本腎臓学会プログラム委員会のメンバーの方々と、真剣に大会プログラムを練りました。多数の企画アイディアの中から、「君子不器」のテーマに相応しい内容を検討し皆様に充実した企画をお届けしたいと思っています。

会員の皆様には、今後お知らせする演題募集に合わせ、是非活発に演題投稿をしていただければ幸甚です。神戸の街でお会いできることを楽しみにしております。

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